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犬学

『犬の上手な叱り方』を知りたい飼い主さんに知ってほしい事 Part2

叱り方アイキャッチ⓶

前回の記事では、具体的な『罰の与え方』を紹介しました。

ですが実際には、効果的な罰の与え方は人間には、ほぼ不可能だということを理解していただけたかと思います。

今回の記事では、さらに罰を与える事のデメリットを紹介したいと思います。

大きなデメリット

罰を与える事の主なデメリットは4つです。

後手になる 

犬達は、日々の生活の中で様々な経験を積み重ねています。
そして、経験を元に行動の頻度も変わっていき、行動の頻度が高ければ高いほど、その行動は学習されていきます。

前回の記事にも書いたように、罰を効果的に与える為には行動の直後の0.5~1秒以内に与えなくてはいけません。人間が罰を与えようとすると、100%後手になってしまいます。

吠えた後や盗み食いをしてしまった後に罰を与えても手遅れなんです

抑制にしかならない 

飼い主さんから「吠えた時に叱ると吠え止むんだ」や「痛い!って言うと噛むの止めるんです」と言われる事があります。

「五月蠅い!」や「痛い!」という言葉などは、一時的に犬達の行動を抑制する事は出来ます。

ですが、何度も「五月蠅い!」や「痛い!」と言い続けたとしても、犬は抑制されているだけで何も学習してくれません。

その為、飼い主さんが近くにいる時は困った行動はしませんが、飼い主さんがいない時や見ていない時に限って困った行動が起こる、なんて事になるんです

叱り方⑥

伝わらない 

「〇〇はダメ!」と僕達はよく使いますが、意外と「〇〇はダメ!」というのは伝わりづらいんです。

飼い主さんが怒っているのも、怒鳴っているのも、犬達は人間の表情や雰囲気などを細かく読み取ります。

ですが、何に対して叱られているのかまでは伝わりません・・・。

なので「〇〇はダメ!」と言われ続ければ、最終的には「じゃぁどうすればいいの😠」となってしまいます。(犬達は毎日思っているかも・・・)

何をどうしたらいいのか分からないというのは、犬達にとって大きな不安要素になります。

不安要素を抱えている場合、困っている行動が、よりエスカレートしてしまったり攻撃行動が出やすくなる事もあるんです。

叱り方⑦

脳が委縮しちゃう 

罰を与える場合『0.5~1秒以内に』『100%で』『常に一定の強さで』で与えなければ、効果はありません。この3つの条件を満たしつつ、罰を与える事はとても難しいですよね(というか、ほぼ不可能です・・・)

なので、犬達には「何故、罰が与えられているのか」は伝わっていない可能性の方が高いんです。

いつ・どんなタイミングで罰が与えられるか分からないというのは、犬達にとって相当なストレスだと思いませんか?

慢性的な痛みや恐怖や不安は、犬達から気力を奪い、考える事も停止させ、行動する事も止めさせてしいます。(無気力状態)

この場合、脳の機能障害が起こっている可能性が高く、脳が委縮してしまっている可能性が高いと言われています。

叱り方⑤

正解を教えてみては?

上記では、罰を使う事のデメリットを紹介しました。
では、犬達にはどのように物事を伝えて行けばいいのでしょうか?

今まで、叱る機会が多かった飼い主さんは「噛んだら叱ろう」「散歩中に引っ張ったら、リードショックを与えよう」などと考えてしまう事が多いと思います。

ですが、前回の記事にも書いた様に、罰を与えようとしても罰の使い方は非常に難しいですし、「〇〇してはいけません!」というのは、犬に伝わりづらく、効果が期待できません。

なので、今日からは「〇〇してほしい」「〇〇が正解」という風に、正解の行動をイメージしてみましょう!!

また、正解の行動をイメージする為には、困った行動に対して正反対の(両立しない)行動をイメージする事が大切です。

叱り方④

【例】

〇触っても噛まないで!触られても(手が近づいても)口を閉じていてね

〇リビングを走り回らないで!リビングにいる時は、犬用のベッドで伏せていてね

上記の様な正解の行動をイメージする事で、人間側も犬が「何が出来ていて、何が出来ていないのか?」「何を教える必要があるのか?」が明確になるので、トレーニングを進めやすくなります。

そして、少しずつ時間をかけて、犬達に正解の行動を教えてあげて(トレーニングして)、少しずつ改善につなげてほしいんです。

正解の行動を教えてあげる事で、犬自身も何をすればいいのか明確になります。

正解の行動が明確であれば、犬達は自発的に自信を持って正解の行動をとってくれるでしょう

まとめ

いかがでしたか

日本では、まだまだ上下関係や主従関係の様な考えが深く根付いています。

その力関係を示す為に痛みや恐怖を伴うトレーニング(しつけ)を無意識に行っている飼い主さんも多いと思います。

ですが、犬達には僕達の伝えたい事を、力を使わなくても伝える事が出来ますし、犬達も十分に理解してくれるんです

もちろんトレーニングをしていくという事は、時間が掛かります。ですが互いの関係を育む為にその時間も大切なんだと思います。

今回のブログを読んで、少しでも今までのトレーニング方法を見つめ直すきっかけになれば嬉しいです

犬達のトレーニングを厳しくする必要は全くありません!!
皆さんで『とにかく楽しく!』トレーニングしていきましょう~(^^)